飯綱町は、樹木が町の天然記念物に指定されている「高坂リンゴ」の実を使って、発泡酒シードルとジャムの商品化に取り組んでいる。かつて地元で盛んに栽培されながら、絶えてしまう恐れが出るほど育成例がなくなっていった和リンゴを独自ブランドにし、地域おこしの核にしたい考え。早ければ、来年度の販売を目指している。
高坂リンゴは酸味と渋味が特徴。直径約5センチ、重さ約50グラムで西洋リンゴより小ぶりだ。旧牟礼村高坂地区で江戸末期から明治期までは盛んに育成されたが、西洋リンゴに押され昭和末期には、ほとんどの農家が作付けしなくなったという。
昔ながらの種類が地域からなくなっていくのを残念に思った同町柳里の米沢稔秋さん(81)が1987年、穂木を譲り受け自身の果樹園で2本を栽培。約10年後に実を付けるようになった。現在は町内5軒の農家が栽培している。
町は、この地域にしかないリンゴの実の活用を検討。本年度、県の「地域発元気づくり支援金」39万円を受けて、マスターソムリエの高野豊さん=長野市=の助言ももらい、町内のワイン製造などをしているサンクゼールで、試作品を作った。
15日には町飯綱福祉センターで試食会を開き、町農業委員や商工会関係者ら約50人が、高坂リンゴ100%や、「紅玉」「ふじ」と比率を変えて混ぜるなどした6種類のシードルを試飲。高野さんは「高坂リンゴが味に渋味や酸味、甘みを与え、スパイスのような役割を果たしている。ほかの地域にない町独自のシードルになっている」と評価した。
ジャムも試食した参加者たちも「おいしい」「甘みがある方がいい」などと将来のブランド化を期待。米沢さんは「70歳以下で高坂リンゴの味を知っている人は少ない。お酒やジャムに加工され、皆に喜んでもらえてうれしい」と話していた。
(提供:信濃毎日新聞)




















