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topics 高山村自立の道(上) ワイン用ブドウの産地化へ

(2008年10月31日)

今秋から本格的にワイン用ブドウの収穫を始めた角藤農園=10月上旬、高山村日滝原

 任期満了に伴う高山村長選は11月4日に告示、9日に投開票する。今のところ、現職で再選を目指す久保田勝士氏(66)=無所属、中山=が立候補を準備しているほかに目立った動きはない。2004年の住民アンケート結果を受け、自立の地域づくりを進める人口約7600人の同村。産業振興の柱とするワイン用ブドウの産地化と、県内の村で初めて施行した景観条例を通じて、その将来像にかかわる課題を探る。(松崎林太郎)

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 「世界に引けを取らないワインを生み出せる」。8月下旬、村と村内外の農家や企業でつくる「ワインぶどう研究会」が開いたシンポジウムで、研究会助言者でマスターソムリエの高野豊さん(57)=長野市=が力説した。

 水はけが良い土壌と、昼夜の寒暖差が大きい気候の高山村はワイン用ブドウの適地だ。温暖化傾向もあり、近年、全国各地から注目を浴びる。高野さんは「豊富な温泉と結び付けば大きな観光資源」と展望。村は産業振興の柱に据え、06年設立の同研究会を中心に特産化に取り組む。

 村の財政状況は決して明るくない。交付税への依存度は比較的高く、財政力指数は07年度で0・28、財政の弾力性を示す経常収支比率は同80・5%。村総務課は「今後の人口減と高齢化は避けられない。産業振興での自主財源の確保が必要」とする。

 その中で注目を集めるワイン用ブドウ栽培。先導的役割を果たすのが、建設資材販売などの角藤(長野市)のグループ会社・角藤農園だ。村内8・5ヘクタールの栽培地で今秋から本格的な収穫を始め、約40トンを県内外のワイナリーに出荷した。佐藤宗一園長(62)は「山梨県のメーカーを含め注文が殺到した。取り組み次第で世界最高級のワインを狙える」と力を込める。

 ただ事業化の道筋は、まだはっきりとは見えない。村産業振興課は「角藤の動向が鍵を握る」と民間活力を生かし、醸造や販路の開拓を図りたい考えだが、角藤農園はワイナリー建設に慎重姿勢だ。

 角藤農園の大久保鉱一社長は「今の生産量ではビジネスにならない。周辺農家に栽培が広がればワイナリー建設の検討余地はある」。角藤農園以外の研究会メンバーで栽培する村内農家は5人。生産者をどう増やすかが課題だ。

 研究会に入る涌井一秋さん(47)は今春、専業農家になり約1・5トンを出荷。「手間がかからず、リンゴより良い」と手応えを感じつつ、まだ様子見の農家が少なくないと思う。栽培の魅力を伝えることや、一定の広さの農地確保など増産につながる策は「行政や農業委員会との連携がないと進まない」と指摘する。

 一方、国内外のワイナリーで醸造経験を積んだ研究会の湯本康之さん(36)は「盛り上がりを一過性に終わらせてはいけない。特産化に向けた雰囲気づくりを続け、関連産業が根付くような産地を目指してほしい」と村に望む。

 高野さんが「県内のほかの地域よりも格段に進んでいる」と評価するワイン用ブドウ特産化の取り組みを、農家や企業と連携しながらどう広げ、観光などと結び付いた付加価値の高い産地に育てていくか。村長のかじ取りが重要になっている。

(提供:信濃毎日新聞)

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