伊那市山寺の珍味店で22日、「活イナゴ」の販売が始まった。今年は6月から7月末にかけての暑さでイナゴの育ちがいいといい、早速、店頭で買い求める人や予約の電話が相次いだ。事故米の不正転売、有害物質混入の疑いがある牛乳の使用問題などで食への不信、不安が広がっているが、同店代表の塚原保治さん(64)は「イナゴは無農薬の田んぼにすみ着く、非常に安全な食べ物」とアピールしている。
「塚原信州珍味」がこの日売り出したのは、体長3センチ前後のイナゴ約250キロ。県内や新潟県、山形県で協力している「取り子」14人が捕った。生きたまま網に入れたもののほか、つくだ煮にして販売。一部は小分けして市場に卸した。
取り子は、バイクの後ろに幅1メートルほどの網を付けて収穫を終えた田のあぜ道を走り、音に驚き飛び跳ねたイナゴを捕まえる。塚原さんが21日、各地の取り子を訪ねて集めた。
伊那市荒井の溝口時子さん(78)は開店直後に訪れ、活イナゴ1キロを買った。「パリパリした食感が好きで、家族全員が楽しみにしている。年長園児のひ孫も散歩の時間などに、イナゴを捕って帰ってくるんです」。つくだ煮にして、都内の親せきにも送るという。
店には毎年この時期、全国から「初イナゴはいつか」と問い合わせの電話がくるといい、16キロを買い求める予約も入っているという。
「イナゴは農薬をまかれると数が減り、まくのをやめてからも5、6年は出てこない。環境を守ることで得られる自然からの贈り物」と塚原さん。今後1日おきに県内外の取り子を訪ね、1シーズンで10トン近くを取り扱うという。活イナゴは11月中旬まで、1キロ3800円で販売する予定だ。
(提供:信濃毎日新聞)





















