昨年、ソロデビュー20周年を迎え、ボーカリストとしてさらに脂がのった感のある工藤静香。
「黄砂に吹かれて」「慟哭」など、数多くのヒット曲を持つ彼女の新作は、それらの名曲を生み出した中島みゆきの楽曲に新たな息吹を吹き込んだカバーアルバムです。
時に優しく、時に激しく歌い上げる独特の歌唱スタイルは、全盛期と変わることなく、往年のファンとしては思わずニヤリとしてしまいます。中でも「やまねこ」や「見返り美人」といった、マイナー調の歌謡曲との相性が抜群に良く、こちらがオリジナルかと錯覚してしまうほどの完成度です。
中島みゆきの世界を歌わせたら、右に出る者はいないと断言できるくらいの見事な昇華ぶりは、まさに鳥肌モノ。さらに、ボーナストラックとして、自身の楽曲もしっかりと収録されています。
結婚後は、マイペースな歌手活動を続ける彼女ですが、今後も、女性の内面がにじみ出てくるような、情熱的な歌を聴かせてほしいです。
(ポニーキャニオン・3255円)=菊地利彦・筆


















