塩尻市堀ノ内の元小学校長米窪敏さん(80)が8月、私家本「歌い継ぎたい信濃の名歌」を書き上げた。「早春賦」「美ケ原讃歌(さんか)」など長野県に関係する16曲を取り上げ、歌の成り立ちや作詞・作曲者について解説。教師として、長年生徒と一緒に音楽を楽しんだ米窪さん。前文で「名歌は大事な文化遺産」とつづった。
本はA5判26ページ。5、6年前から図書館などに通って資料を集めた。長野市出身の海沼実が作曲した「みかんの花咲く丘」の項では、海沼が作りたての曲をラジオで生放送するため、歌手の川田正子に一晩で教え込んだエピソードなどを紹介した。
岡谷市出身の小口太郎作詞の「琵琶湖周航の歌」など著名曲に加え、「地元でも知られていないのでは」(米窪さん)という「月の松本城」(小林潤作詞、井上宣一作曲)も扱った。「月に影さす 六重づくり」という歌詞を見て、「五層天守なのになぜ六重なのか」と自分で月夜に城を訪れた思い出の曲だ。
「もともとは機械少年だった」という米窪さんだが、初任地の大桑中学校旧野尻分校(木曽郡大桑村)では校歌がなかったため「野尻校の歌」を作詞作曲。「東の空明けゆけば かすみに匂う駒の峰-」と、60年近くたった今も口をついて出る。5年に1度ほど同校の同窓会に呼ばれるといい、米窪さんは「これを機に、信濃の名曲についてまた語り合えれば」と楽しみにしている。
(提供:信濃毎日新聞)





















