須坂市穀町の田中本家博物館は9日から17日まで、開館15周年の特別企画として、明治時代に建てられた客殿「清(せい)琴(きん)閣(かく)」を初めて一般に公開する。客殿は大庭と中庭を眺めることができる屋敷中央の2階にある。銘木をふんだんに使った造りで、ここに滞在した文人墨客らの作品も残っている。
清琴閣は、大庭の池に注ぐ小滝の清らかなせせらぎにちなんで名付けられたとされる。画家が滞在したり、田中家の婚礼会場として客人を迎えたりしてきた。
同博物館は、江戸時代から続く豪商の暮らしぶりを伝えようと1993年に開館。しかし、清琴閣は、建物やふすま絵が傷む恐れがあることから一般公開はしていなかった。今回は15周年を記念し、期間を限って公開する。
清琴閣は、13畳ほどと10畳の続き間の座敷と、寝室だった別座敷に分かれている。屋久杉や吉野杉の天井板を使った続き間には、木村武山、矢沢弦月、山内多門といった画家のふすま絵や掛け軸が飾られ、伊藤博文の筆による額もある。座敷を取り囲む廊下の床にはケヤキ板をはめ込んである。
館長の田中宏和さん(64)は「庭園を眺め小滝の音に耳を傾けて、遠い昔に思いをはせながらしばしの涼を楽しんでほしい」と話している。
期間中は無休。午前10時-午後3時。拝観料は1000円(入館料別、冷茶・お菓子付き)。田中さんや同館の学芸員が案内する。問い合わせは同博物館(電話026・248・8008)へ。
(提供:信濃毎日新聞)




















