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sports 聞こえぬ右耳…三塁手で甲子園に 長野出身、山梨の千村選手

本番前日の練習で汗を流す千村選手=4日、大阪府豊中市

本番前日の練習で汗を流す千村選手=4日、大阪府豊中市

 第90回全国高校野球選手権大会の山梨県代表、日本航空3年で副主将の千村宏樹選手(17)は、長野市出身だ。生まれつき右耳が聞こえないが、人一倍努力を重ねて三塁手としてレギュラーを獲得。5日、夢の舞台に挑む。

 千村選手は、右耳が閉じた状態で生まれ、左耳しか聞こえない。小学3年から野球を始め、6年の時に長野市内の大会で優勝。山梨県内の中学生の硬式チームへ誘われ、長野市の若穂中学校に在籍しながら金曜日の放課後に単身電車で山梨に向かい、チーム仲間の家に泊まりながら週末の練習を重ねて、日曜日の夜に帰宅する生活を送った。

 中学1年の時には、長野県より高校数が少なく「甲子園に近い」と、日本航空高校への進学を決めていた。

 右耳が聞こえない分、目を頼りにする感覚を研ぎ澄ます道のりは楽ではなかった。中学生の時は打球の予測が外れてエラーに苦しんだ。それでも「耳のせいにはしたくない」という意地と、通いを許してくれた親や監督の期待に応えたかった。長野では素振りと走り込みをこなし、山梨ではノックを受け続けた。今では「打球音は関係なく、打った瞬間に打球の方向が分かり無意識に体が動く」という。

 高校2年の夏からレギュラー。中沢学監督(28)=長野市出身=は千村選手を「野人」と呼び、「心が強く、打たれ強い」と評価する。仲間の声が聞こえにくいこともあるが、ジェスチャーを交えたり、みんなで何度も呼び掛け合ったりするので「助かっている」と同選手。

 今夏まで春夏ともに甲子園に出場できず、ようやく得たラストチャンス。5日第2試合の青森山田(青森県)との初戦に勝ち、同日第3試合の松商学園とともに勝ち進めば、3回戦で戦うことになる。「ぜひ対戦したいですね」と笑顔を見せた。

(提供:信濃毎日新聞)

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