小諸市荒町2で瓶入り牛乳を製造し6月に廃業した「小諸牛乳」の設備が、北佐久農業高校(佐久市岩村田)で活用されることになった。同校は来年度にも、約30年途絶えていた機械による瓶牛乳生産の復活を目指す。経営してきた大森治雄さん(76)は「苦楽を共にした愛着のある機械。稼働に向けてできるだけ協力したい」と話している。
設備は生乳を入れるタンクをはじめ、殺菌や乳成分の調整、瓶への充てん装置まで一式。180ミリリットル瓶約3000本もある。現在は校内に保管しており、来年度中をめどに設置場所を定め、配管などを更新して機械を組み立て、学校近くの農場で飼っている約10頭の乳を原料に製造を始めたい計画。保健所の許可を得た上で販売も目指す方針という。
同校は県内農業高校で唯一、乳牛を飼育。瓶牛乳は、昭和30年代後半に機械を導入し、実習で搾った生乳を使い週1回程度生産してきた。生徒や教職員向けに販売し、近所の人も買い求めていたが、機械の老朽化などで昭和50年ごろに中止。現在は、乳搾りは行うものの、ほとんどを外部に出荷している。
設備譲渡は、畜産担当の小池晃教諭(31)が小諸牛乳廃業を新聞で知ったのがきっかけ。「生徒の実習環境を整えて、北農で牛乳を復活させたい」と丸野良督(よしまさ)校長(57)に伝え、6月中旬に大森さんに願い出た。
大森さんは、廃業を決めて以来、設備の後利用を探り、県外業者に下取りに出すことを考えていたが、自身や長年経営に携わった妻きよさん(故人)がともに同校出身だった縁もあり「地元の教育の場で役立つのはありがたいこと」と快諾した。7月上旬に教職員10人ほどで運び出した。
同校出身で畜産担当の井出幸嗣郎(こうしろう)教諭(41)は「自分がここで畜産を学んだ時にはすでに製造を中止した後だった。体験できなかった『商品ができる喜び』を生徒に提供できたらいい」と期待。丸野校長は「製造が始まったら、まずは大森さんに届けたい」と話している。
(提供:信濃毎日新聞)





















