6・15「DREAM」のメルヴィン・マヌーフ戦で自己最短の90秒でKO負け。左尺骨を骨折して骨をワイヤーで固定する手術を受けた桜庭和志の現状が明らかになった。ワイヤーがはずれるのが9月。DREAMの笹原圭一プロデューサーによれば、本人は大みそかイベントでの復帰を希望しているとのこと。
闘う男の意地として、このままでは引き下がれない気持ちは理解できる。しかし、相手のハイキックをブロックして腕の骨を骨折すること自体、「強い選手」には考えられないこと。グレイシー・ハンターとして光り輝いた桜庭も39歳。終えんが近いことを感じずにはいられない。
中大レスリング部の主将として活躍した桜庭は、当時は68キロ級の選手だった。プロ入りしてパワーアップし90キロ前後までいったが、ナチュラルで90キロを超える選手(最高でミルコ・クロコップの100数キロ)との激戦は、本来、「やってはいけないこと」だったのではないか。
2000年5月のイゴール・ボブチャンチン(93キロ)にTKO負けした後、「パンチ(のダメージ)が全く違う」と話していた。もっと軽い体重の選手と闘いたかったのだと思うが、体重無差別が主流だった当時のPRIDEのエースとして過酷なマッチメークを強いられ続けた。
ボクシングならパンチドランカーとして闘いを禁止されるようなダメージが、その肉体を浸食しているのではないか。正直なところ、まぶしいまでに輝いていた桜庭がボコボコにされるシーンを、これ以上見たくない。
だが、本人の気持ちがそうなら見届けなければなるまい。それが、夢を与えてくれた選手に対しての礼儀。やはり、勝手に引退を決めるのは辞めよう。本人が燃え尽きたと感じた時が、引退の時だ。(格闘技ライター・樋口郁夫)
(提供:共同通信)




















