空中ブランコ、ゾウ・ライオン使い、玉乗り、ピエロ…。きらびやかな服を着た布製のミニチュアカエル人形たちが、生き生きとテーブルの上でサーカスを繰り広げる。
長野市内の喫茶店で22日まで開かれている「元気カエルの大サーカス展」。カエルの生みの親で店を営む河端寛子さん(70)は展示会が実現し、ほっとした表情で「カエル作りをしていなかったら、私は今ごろどうなっていただろう」と話した。
原材料の高騰、不況などが重なり、苦境に立たされる飲食店。河端さんの店も例外ではなく、ここ数年、赤字が続く。「何とか店を生かし続けたい」と祈る日々。カエル人形作りは、苦悩の中、営業時間の合間に何げなく始めた。
「手を動かすことで現実を忘れ、楽しい発想が次々と出てくる」。喫茶店の常連客には切り絵や編み物、ビーズなどの作家がおり、制作に協力してくれた。これまでに学校、御柱祭、野球場などの舞台設定を作り、店のほか公共施設などでも展示。図らずも多くの人の心を和ませた。遠くから見に来るファンができ、展示の依頼も増えてきた。
昨夏、店主だった夫ががんで入院、闘病生活が始まった。「先を考えると不安で眠れない夜もある。そんな時、カエルを手にすると、どこからかエネルギーがあふれ、イメージ通りの作品が出来上がる。私にとっては呼吸かもしれません」とほほ笑む。
「お客さんの中にも、闘病中の家族を抱える人がいる。カエルたちが少しでも元気付けてくれたらいい」
同市南千歳町の珈琲〓楽部「寛(ひろ)」で。入場無料。
(〓 倶の旧字)
(提供:信濃毎日新聞)





















