伊那市富県の山間部、上新山地区に「里山保全の交流拠点」を目指すログハウスがほぼ完成した。元名古屋市職員の石原信行さん(57)が友人や業者と協力して建築、4月に名古屋から移り住んだ。石原さんは購入した周囲の山林を「トンボの谷の山育て村(トンボ村)」と名付け、子どもたちや都市住民が集う場所に-と話している。
トンボ村は、コナラなどの雑木林が広がる谷を囲む約6600平方メートル。その中心部にあるログハウスは「管理棟」の位置付けで、石原さんの自宅でもある。飯田市遠山郷産の杉の丸太を組み合わせた造りで、広さは約40平方メートル。隣に来訪者向けの「宿泊棟」も建てる計画だ。
石原さんは名古屋市職員として長年、生涯学習を担当。子どもの社会参画を支援するNPOの立ち上げにも取り組んだ。活動を続ける中で、子ども時代に自然の中で思い切り遊んだ体験を持つことの大切さを考え、「自分自身が自然の中で何かを築き上げる体験をして、そこから得たものを伝えたい」と退職後の針路を描いた。
2006年に電子部品製造のKOA(伊那市)が開いている山づくりの人材を育成する「森林塾」を受講。名古屋から通い、間伐などの技術や森林保全の考え方を学んだ。やがて、森林塾で多くの発見を得た伊那谷への移住を考え始め、インターネットで購入できる山林を探して上新山地区に行き着いた。
ログハウス建設は専門のログビルダーに依頼したが、友人や森林塾で知り合った仲間らの協力も得て、依頼主が深くかかわる「ハーフセルフビルド方式」で建てた。中でも五右衛門風呂は熱心に手を入れた自信作だ。
トンボ村の名称は、石原さんがトンボが多いことが気に入って付けた。上新山地区は日本最小とされるハッチョウトンボの生息域でもある。今後は、そうした豊かな自然を知る地元住民との関係も深めていきたいと考えている。
6月1日午前10時から、石原さんが宿泊棟の建設について相談しているNPO「南信州木の会」(伊那市)が、ログハウスの視察会を開く。一般の見学も受け入れる。問い合わせは同会(電話0265・78・8253)へ。
(提供:信濃毎日新聞)




















