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topics 待遇改善し制度存続図る 中国人研修生が支える川上の農業

(2008年4月9日)

「チャンネル中国」開始式で握手する藤原忠彦・川上村長(左)と番組制作会社の関係者=3日、村文化センター

[川上村]

人口      4635人

面積      209.61平方キロ

歳出規模    36億5600万円

1人当たり地方債残高

        88万6100円

高齢化率    25.0%

製造品出荷額等 2億6100万円

   ◇

 南佐久郡川上村に、今年も高原野菜栽培を手伝う中国人農業研修生が入り始めた。2004年の導入以来、事実上安価な労働力として村の基幹産業を支えてきたが、早朝作業や残業が入国管理局から「制度違反」ととがめられるなど課題も浮上。村は新たに中国語放送を村ケーブルテレビで放映するなど、待遇改善の取り組みを進めている。

 約3・5ヘクタールでレタスやハクサイを作る由井政直さん(47)=御所平=は、研修生を「欠かせない存在」という。昨年、月給15万円強の住み込みで雇った日本人アルバイト2人は「仕事がきつい」とそれぞれ半日と1カ月で辞めた。結局、自身は深夜1時から収穫作業を行い、「中国人研修生2人と一緒に何とか乗り切った」という。

 かつて約1000人の日本人アルバイトが働いたとされる同村。由井さんは今年も約20万円かけ、関西や関東に求人を出す予定だが「年々反応は悪くなる。日本人はもう集まらないかも」と期待薄だ。

 代わって年々増える中国人研修生。今年は村全体で約600人を見込む。中国側の送り出し機関を通じ、上海周辺部などから募集している。

 だが、農家が研修生を安い労働力として使っている―との指摘も出るようになった。週40時間の研修時間から換算すると時給は約530円余で、県最低賃金の669円を下回る。労働基準法の適用外で労災補償もない。外国人研修生問題ネットワーク長野(長野市)代表の高橋徹さん(50)は「研修目的の不当な労働に自治体も加担している」と批判する。

 一方で、研修生抜きに栽培・出荷が成り立たない現実もある。村は「単純労働者として受け入れ賃金を相応に払うには、国の制度を変える必要がある。今は研修制度を利用するしかない」とする。

 研修を逸脱しないように―と、村や受け入れ事業を担う村農林業振興事業協同組合は腐心している。組合は昨年から「残業禁止」を徹底。中国語通訳3人が巡回し、農家と研修生の調整も図った。鷹野憲一郎専務理事は「制度や法律について、農家の理解も進んでいる」と強調する。

 その半面、残業禁止は研修生の意欲を低下させ、昨年は深夜まで出歩いて飲酒するなど、研修を休む姿も目立ったという。鷹野さんは「残業で稼げると聞き付けて参加した人も多い。稼げないと分かり、やる気をなくしたようだ」と打ち明ける。

 村は約100万円をかけ、7日から村ケーブルテレビで中国語放送「チャンネル中国」を始めた。1戸当たり月100―200円の受信料を受け入れ先の農家約300世帯が負担、研修生は共同生活する宿舎で見ることができる。

 さまざまな課題を抱えつつ続く研修制度。藤原忠彦村長は「村にとっては欠かせない存在。待遇を改善しつつ、存続を図りたい」と話した。

   (島田周)

 [川上村農林業振興事業協同組合] 2006年11月、村の主導で村内農家など約220戸が出資して発足。同年9月、外国人研修生の未明からの研修が、東京入国管理局に「違法な残業」と判断され、長野八ケ岳農協(本所・南牧村)が資格停止となったことを受けて事業を引き継いだ。昨年は約570人、今年は約340人を受け入れ、研修生事業の中核となっている。

(提供:信濃毎日新聞)

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