急に春めいてきました。すると、やはり春のファッションのキーワードが気になってきますね。今年はスプリングコート、カラフル、ワンピース、プリントなど、目にすることが多いのではないでしょうか。
ではスプリングコートを取り上げてみましょう。スプリングコートというと、意外と古い言葉で、私は子どものころに耳にした覚えがあり、とてもおしゃれっぽいイメージがあります。春は風も強いし、ほこりっぽいので着物で言えば「塵(ちり)よけ」のように、上に羽織る、軽やかなコートということでしょうか。早い話、物としてはレインコートと似ていますが、あえて今年「スプリングコート」と呼びたくなるのは、“色”を強調したいせいもあると思います。
レインコートだとベージュやアイボリー、ネイビーなど、ベーシックで無難な色が多いと思うのですが、それが今年はピンクやイエロー、グリーンやブルーなど目にも鮮やか、カラフルなものがそろい、まさに「スプリングコート」と呼ぶにふさわしいのです。
でもそんな色って着にくい、合わせにくいのでは?とお思いの方も多いと思いますが、ここで頭を切り替えることが肝心。思い込みから脱出しなくては、おしゃれのステップアップはできません。
一般的に無難な色をいい意味でとらえる方が多いのですが、私は「無難な色=おしゃれに見える色ではありませんよ」と言います。そう、クセ無し無味無臭(?)の色でおしゃれに見せるには、着こなしやコーディネートのワザが必要です。ただ着るだけでは、本人には上品でプレーンな着こなしに思えても、はたから見れば「素っ気ない…」ことにもなりかねません。
実はどんなアイテムにも言えますが、すてきな色なら着ただけで、ワザいらずにおしゃれな雰囲気になれるのです。服装の第一印象度というのは「まあ、きれいな色!」「いい色のセーターですね」とか、色の要素が大きいはず。それを利用すれば、楽におしゃれできるのですから。
コートのような大きな面積で色というのは抵抗があるかもしれませんが、エイヤッ!と着てみれば、なぁんだと思うくらい楽しく、周りからもおしゃれと思われること必至です。
大人は、色に対して武装しすぎの傾向です。そもそも人類が衣類の染料を工夫発明したのは、大自然の、植物の、鮮やかな明るい色彩にエネルギーを感じて、それを取り込みたい、あやかりたいことからのようです。私も疲れた時や元気がない時は鮮やかな色を身につけたり、素直に季節の気分に合わせた花の色をまとったり、色を楽しむと同時に、色に助けられることを実感、利用しています。
信州の長い冬が明けて、春に向かう気持ちはさぞ楽しみのことでしょう。それをより楽しみ味わうためにも、今年流行のキーワードをいいきっかけに、思い切って色を取り入れてみましょう。
(提供:信濃毎日新聞)




















