名古屋市立大大学院で日本建築史を学ぶ橋詰浩美さん(24)=名古屋市=が、木曽漆器産地である塩尻市木曽平沢の漆工町(しっこうまち)を紹介する「木曽平沢 町並み建築てくてくマップ」を作った。漆を塗る蔵や路地などをスケッチ画とともに掲載した内容に、地元住民でつくる木曽平沢町並み保存会が「新鮮な視点で魅力を伝えている」と注目。同会が1万部印刷し、春の観光シーズンから本格的に活用することになった。
橋詰さんは、研究室の指導教員が漆工町の町並み保存事業にかかわっている縁で、昨年10-11月の40日間、木曽平沢にある塩尻市楢川支所でインターンシップ(就業体験)をした。この間に区内を歩いて建物や町並みを取材。A3判のマップにまとめた。
片面で木曽平沢の町並みが形成された歴史や建物の特徴の変遷、一般的な漆器職人の家の造りなどを紹介。もう一方の面は漆工町の地図を描き、木曽平沢では珍しい旅籠(はたご)建築など見どころのスポット約40カ所を矢印で示している。
橋詰さんは「漆を塗る蔵など漆器生産にかかわる建物の趣はほかの土地にはない魅力。今後の手の入れようで、町並みはさらに生きてくると思う」と話す。
マップ作りを手伝った支所職員は「神社の石段や狭い路地など、地元の人が気に留めない空間も取り上げており、実際に行ってみると確かに隠れたスポットという印象」と感心する。
保存会は漆工町が2006年に国重要伝統的建造物群保存地区に選定されたのを受けて発足。建物を改修する際に歴史的な雰囲気を重視し、「歩いて楽しめる漆器の里」を目指している。
マップは3月ごろから、3キロほど離れた観光地の奈良井宿などで配布する計画だ。荻村博久会長(71)は「どこに出しても恥ずかしくない作品だ。今年はマップを持って通りをぶらぶらする人が増えそう」と話している。
(提供:信濃毎日新聞)




















