翼を持つ猿、甲をまとったキツネのような動物、半人半獣のケンタウロス…。奇妙な写真とデータをみて、思わず本書を手にした。
そういえば日本の最後の秘境、東京都の南硫黄島に観測隊が降り立ち、新種の生物を発見したという報道があった。「奇妙」など私たちの勝手な感覚であり、想像もつかないような進化を遂げている生物もまだまだ存在するのではと考えながら、読み進める。
2人の写真家が仕事で旅した土地で偶然、膨大な研究資料を見つけた。故アーマイゼンハウフェン博士による新種・奇種の野生動物を研究したものだ。その価値を確信した2人は、資料をまとめる作業に没頭する。
博士の生い立ちもつづられたその書は、日本語版も刊行された。文庫版としてよみがえった本書を眺めながら、写真やはく製標本、デッサン、エックス線写真などに、驚きを隠せなかった。
最後、この動物たちの正体が明らかにされる。今後、私の博物館に対する目線が変わりそうだ。
(ちくま学芸文庫 1500円+税)=岡田美和・筆

















