【発達の相談】
十一歳の男の子ですが身長が一三〇センチしかなく、クラスの中でも飛び抜けて小さいです。昨年一年間で三センチしか伸びませんでした。離乳食のころから食が細く、今もあまり食べません。体重二六キロとやせています。本人も背が低いことで卑屈になり、内気な性格になってきています。治療にホルモン注射などあるようですが、効果はどの程度あるのでしょうか。
【アドバイス】
低身長の原因としてはさまざまなものがあります。体質的なもの、家族性のもの、思春期の来るのが人より遅い、いわゆる「奥手」の場合などがあります。そして一部にはホルモン分泌や骨などの病気が原因となっていることがあります。
ご質問の中に「ホルモン注射」とありますが、これは、骨の発育を促進する成長ホルモンを補充する治療のことだと思います。成長ホルモンは、脳の下垂体という場所から分泌され、血液を巡って骨に作用します。子どものころ、脳からこのホルモンが十分分泌されないと極端な低身長になってしまいます。このような病気の人に毎日成長ホルモンを注射しますと正常の人の近くまで身長を伸ばすことができます。
ただしこの治療を行う場合、低身長の原因が本当に脳下垂体にあるのかを精密検査しなくてはなりません。成長ホルモン分泌が正常な人に注射をしても効果は期待できないからです。成長ホルモン治療は毎日家庭で自己注射するもので、手技は多少煩雑ですが大きな副作用は報告されていません。
お子さんはかなり小さい部類に入ります。十歳の男児は一年間で平均五センチ程度伸びますので、一年間で三センチというのは身長の伸びが停滞していると考えられます。一度小児科専門医にご相談されたらいかがでしょうか。(鷲沢一彦・長野赤十字病院第二小児科部長)
(提供:信濃毎日新聞)




















