いるいる、こういうおじさん! 私がよく行く自転車屋の店長がそうだ。
食べるモノも着るモノも、とにかく良質にこだわる人。値段の高い低いではなく、自身の生活に適したモノを選ぶことができる人だ。そういう人に共通しているのは、毎日がとても楽しそうなこと!
フリーライター永江朗による「暮らしのエッセー」集。食、住、衣、暮の各項に分け、コーヒーや枕、ジーンズ、手帳など、自身が日常生活の中で使っているモノへのこだわりや愛着をつづっている。
雑誌「暮らしの手帖」を創刊した花森安治らについて述べたあとがきは興味深かった。いわく、日用品のデザイン感度は上がったが、洗練されたのはデザイナーだけで使う側の感覚は進歩していないのでは、と。
確かに、私たちはモノに追われてはいないだろうか。正直、雑誌で紹介された化粧品を即買いしがちな私だが、モノとの正しい距離は保ちたい。著者はそれを楽しんでいるもの。
(ポプラ社 1500円+税)=竹下綾・筆

















