松本市中央2の菓子店「開運堂」(渡辺公志郎社長)は、7月に松本市で公演する「平成中村座 信州まつもと大歌舞伎」に合わせ、約90年前に東京・銀座の歌舞伎座で販売していた菓子「歌舞伎久留(くる)み」を復活させる。この菓子は今も別の商品名で製造しており、名称と箱にかぶせる包装紙を当時のものに戻して限定販売する。
「歌舞伎久留み」は、同店が大正時代の中ごろに開発。砂糖とはちみつをすり固めた中にクルミを入れた干菓子で、割れたクルミが歌舞伎の隈(くま)取りに見えることから名付けた。昭和初期まで銀座の歌舞伎座で販売。その後、1935(昭和10)年ごろ、市内の茶会に納品したことをきっかけに商品名を「真味糖(しんみとう)」に変え、包装も一新した。
菓子を入れていた杉の木箱は残っていたものの、水引などを施した歌舞伎向けの包装紙はモノクロ写真で確認できるだけだった。5月上旬、渡辺社長の自宅をリフォーム中、当時使っていた包装紙が偶然見つかり、「何かの巡り合わせを感じる」と復活を決めた。
店頭に並べるのは、当時の包装そのままとなる杉箱入りなど3種類。7月1日から、本店と公演会場のまつもと市民芸術館に設ける売店で取り扱う。渡辺社長は「歌舞伎が来なければよみがえらなかったので、感慨深い。歌舞伎座で売っていた商品を復活させることで歌舞伎の華やかな雰囲気を盛り上げたい」と話している。
杉箱の24本入りは6500円(税込み)で100箱限定販売。紙箱の9本入り(1254円)と15本入り(2055円)は売り切れ次第、終了する。
(提供:信濃毎日新聞)





















