山ノ内町の志賀高原で昭和30年代から約30年間、スキー山荘を営んだ児玉ふみ恵さん(74)=東京都文京区=が、自伝的小説「石の湯山荘ものがたり」を自費出版した。山荘に集う人々の人間模様を中心に、新緑の季節やゲンジボタルの生息地など志賀高原の自然を盛り込んだ。
児玉さんは中野市出身。地元の高校を卒業後、東京で料理教室などに通っていたところ、地元の知り合いの勧めもあって1959(昭和34)年、山荘を営む通称「ボクさん」と見合い結婚した。小説はその結婚から現在までをつづっている。
仕事にあまり関心がないボクさんや、約束したのに老朽化した山荘を建て替えてくれない義理の長兄らに翻弄(ほんろう)された苦労のほか、自然を求めて山荘を訪れる学生や大学教授、手伝いの仲間との交流を温かく描いた。
山荘の経営をやめた20年ほど前、長野市内に引っ越し山荘生活で蓄積した「胸のつかえ」を原稿用紙に書き始めた。2、3カ月で一気に650枚。長男の知人に出版社の経営者がいて、最近になって書籍化が実現した。
2005年から子どもがいる東京で暮らすが、「年を取ったからこそ心に張り合いを持っていたい。そうでないと寂しい」と児玉さん。3月、その生息地が国天然記念物に指定された故郷のゲンジボタルが輝く今、あらためて「次の目標はこの物語のドラマ化です」と夢を語る。
A5判・265ページ。価格は1500円(税別)で、県内の一部書店で扱っている。問い合わせはゴー・ゴー・プランニング(電話03・6822・4211)へ。
(提供:信濃毎日新聞)





















