釣りをするカエル、虫捕り網を持ったクモ-。駒ケ根市上穂栄町の宮崎剛さん(73)手作りの針金細工が、地元のフリーマーケットなどでじわりとファンを増やしている。近所の子たちの求めに応じて作り始めた「世界に1つだけの作品」。最近は、評判を聞いた学校などから講師に招かれることも。「仕事にはしたくない。趣味で気が向いたら作りたい」とマイペースで創作を続けている。
針金細工を始めたのは20年ほど前。フランス旅行に行った知人から知恵の輪をもらい、「自分も作ってみたい」と取り組んだ。出来上がった知恵の輪を近所の子たちに譲っていると、「ヘリコプターを作って」などとせがまれるように。写真などを参考に作った針金ヘリコプターに、子どもたちは「おじさん、すごいなあ」と目を輝かせた。
定年前は市内の小中学校で用務員をしていた。毎朝子どもたちと学校まで通い、「おはようおじさん」と親しまれたという宮崎さん。子どもたちの笑顔を励みに針金細工を続けた。やがて、「1本の針金が1つの形になっていく面白さ、不思議さ」そのものに引き込まれた。
材料の針金は、色とりどりの被覆をした市販品。今は自宅で毎日3時間ほど、ほぼ手作業で針金を丸めたり曲げたり。簡単そうに見えるが、針金は結構硬い。「1度曲げたものを直すと、形が汚くなる」。集中力が仕上がりを左右する。
何を作るか、朝の散歩中に考えるのが日課だ。「見たときに思わずニッコリする、とぼけた作品を作りたい」。学校に請われ、総合学習の時間に指導することもある。
知人の勧めで始めたフリーマーケットへの出店。「こんなもの売れるのかなあ、と半信半疑だった」が反響は大きく、現在は年10回ほど出店するようになった。かつて作品をあげた子どもが20代になって、フリーマーケットに立ち寄り再会したこともあるといい、「懐かしい気持ちになるね」。作品を手にした人が「ふとしたときに思い出してくれたら、うれしい」。今日も肩の力の抜けた作品づくりに励む。
(提供:信濃毎日新聞)




















